備忘録

レポ、感想はニュアンスで書いています。間違っていることもあります。

コロナ禍の中で劇場公演を観劇した

1週間以上経っても体調に変わりはないので書く。

2月に最後の観劇をしてからちょうど半年後。こんなに長い間観劇をしないことになるとは思っていなかった。
振り返ってみれば、2月の観劇の時点ですでに日本はコロナ禍にあった。クルーズ船での集団感染や世界的な死者数の増加などで危機意識が高まり、イベントの中止が発表されつつある頃だった。
私が最後に観劇した舞台も、結局中止はしなかったが払い戻し対応やコロナ対策を行っていた。

MANKAI STAGE『A3!』~AUTUMN 2020~では、ウイルス感染予防および拡散防止のため、安全衛生対策を強化しております。

・アンコールソング「blooming smile」での客席降り中のハイタッチ等を控えさせていただきます。
・劇場内に消毒液をご用意しておりますので、ご利用ください。
・一部スタッフはマスクを着用して勤務させていただいております。

また、ご来場の皆様におかれましても、マスクのご持参・ご着用等、可能な範囲にてご協力いただけますと幸いです。

お客様のご理解、ご協力をお願いいたします。

まだこの頃には「3密」が言われていなかったので仕方無いのだけれど、半年後の今思い返してみると緩い対策に見えてしまう。それでも観劇当時はしっかり対策されてるなと感じていた。

私がチケットを持っていた2月3月4月の公演は全て延期・中止になった。
5月6月7月はもとからチケットを持っていなかった。
そして8月。ここまでの6か月間、私は葛藤を抱えながら趣味と向き合っていた。
2月3月4月に予定していた公演はどれも1,2週間前に延期・中止が発表された。逆に言えば1,2週間前までは私は行くつもりでリスクと対策とを考えて精神をすり減らしていて、発表を受けて残念に思う気持ちとほっと安堵する気持ちとを持っていた。
それでもずっと舞台を見れない状況というのは私にとって辛くて、いつかは見れるようになると信じてチケットの申込をしていた。
今回の舞台もその1つ。緊急事態宣言真っただ中に申し込んだので正直観れるかどうか怪しいと思っていた。
8月になってもおさまっていなければきっと公演中止になってまた払い戻しするんだろうなと半ばあきらめ気味に申し込んでいた。

結論から言うと、私の予想は半分当たって半分外れた。
8月になっても収束していなかった。でも公演は中止にならなかった。
私は払い戻しをした。でも、観劇もした。

払い戻しをしたのは東京公演。
やはり東京が一番感染者数が多いうえ、劇場までの移動時間と方法を考えると諦めるのが妥当に思えて払い戻しをした。最初は行くつもりで、万が一東京でウイルスをもらって同居する家族に感染させる可能性を考えてウィークリーマンションを探すなどした。が、結局費用の面でコスパが悪いと判断した。
観劇をしたのは京都公演。
劇場が京都駅に隣接しているため、新幹線を降りて直行することができる。
また、私の使う名古屋駅から京都駅までは約30分の距離。これは私が通勤で満員電車に乗っている時間より短い。そして予約時点の新幹線では1車両に5人ほどしかおらず、一般的に言う「密」に該当しない環境であると判断した。
さらに今回の観劇に際して私が行った対策は以下である。

  • 常時マスク着用。
  • 新幹線の座席やひじ掛け等をアルコールシートで拭き、自分が降りる際にも拭く。
  • 京都到着を開場時間頃にする。
  • 京都到着後、どこにも寄らずに劇場に直行する。
  • 劇場内で言葉を発しない。
  • 同行者とは現地集合、現地解散して会話も対面にはならないようにした。

京都公演を観に行くと決めたものの、本当に観れるのかずっと不安だった。
2週間前から毎日体温を測って自分の体調を自分に問いただして、ピピピと鳴る体温計の数値を確認するのが毎日怖かった。毎日Twitterを見ていつ「出演者/スタッフに体調不良が出たため……」のお知らせが出るかビクビクしていた。
また、チケットの名義人は自分だったため私が行けなくなった場合は同行者も入れなくなってしまうのではないかと不安だった。(これについては問い合わせをして救済策を教えてもらったし、当日本人確認はされなかった)

公演当日、朝起きてすぐに体温を測り、熱がないことにまず安心した。
昼公演の開演時間になっても「お知らせ」が無いことに安心した。
17時に到着した京都駅は、名古屋駅よりは少し人が多いようにみえたがそれでもお盆の京都とは思えない人出だった。

ロビーに入るとまず手に消毒液を吹きかけられ、検温があった。HPにはサーモグラフィで確認して体温が高い人は体温計で計測すると書かれていたが、実際には1人ずつ非接触型の体温計で検温が行われた。
この時も熱があったらどうしようとドキドキしていたのだが、数値を確認したスタッフに進むように促されてホッとした。最後の関門をクリアした気分だった。
消毒マットで靴を消毒して、エスカレーターでもなんとなく同行者と間隔をあけて立ち、入り口のチケットもぎりは初めて自分で行った。
違う舞台だがちょうどこの動画の10:39~あたりの進み方だった。

ロビーも客席もBGMと換気のための風の音以外は静かで話し声がほとんど無かった。普段なら口頭で注意事項を呼びかけるスタッフも今回はプラカードを手に巡回するだけだった。
通常だと客席内は飲食禁止なのだが、ロビーの混雑を解消するために蓋付きの飲み物だけ客席内でも飲んでもいいとアナウンスがあった。
感染症対策の映像記録のためかハンディカメラを持って客席を映すスタッフの姿もあった。ちなみにスタッフは1列目の観客全員がフェイスシールドをつけ終わるまで残っていた。

観劇自体はわりといつも通り。前後左右に誰も座っていないのはとても見やすいなぁなんて思いながら観てた。

終劇後、普段ならカーテンコールは2回くらい出てくるものだけど今回は1度捌けたらそのままアナウンスが流れ出した。
規制退場でブロックごとに出ていく案内がされたけど、途中で「規制退場は任意なので電車の時間等でお急ぎの方は先に退場しても大丈夫です」とも言われた。時間的に東京行きの終電が近づいてたからなのかな。

劇場を出て、思わず「ふ〜」と息を吐いた。別に息を止めてたわけじゃないけど、ずっと喋らないように余計な場所に触れないように気をつけていたから緊張してたんだと思う。
いつもだったらコンビニで軽食買って同行者と新幹線隣同士の席取って感想とか言いながら楽しく帰りたかったけど、そうも言ってられない状況だったのでそのまま新幹線口へ向かってホームで別れた。

今回の舞台の対策が完璧であったのかどうか私に判断することはできないけれど、少なくとも大千秋楽から1週間以上経って特段連絡も報道も無いのだからクラスターは発生していないのだろう。
まだまだいつも通りにはなれない、というか恐らく以前の様式にはもう戻れないのだからこれに慣れなくてはいけない。
次に劇場に行けるのがいつになるのか、そもそも次があるのかわからないけれど、やっぱり私は劇場で観る舞台が好きだからどうにかして劇場公演は続いてほしい。